イカ釣り漁船の灯り(あかり)が今年の羅臼沖では妙に少ないです。
灯りが消えた理由は何にあるのでしょう?
また、イカはイカ釣り漁だけではなく、他の捕り方もあるのでその紹介もしますね。
この記事では、イカ釣り漁船の明かりが数が少ない理由や他の捕り方について詳しく解説していきます。
イカ釣り漁船の灯りが羅臼の海から消えた理由
イカ釣り漁船の灯りが羅臼の海から消えた理由はズバリ今年のイカ漁にあります。
昨年の今ころにくらべるとイカ釣りもかなりの不漁のようです。
その影響は、刺し網漁や定置網漁にも出ています。
以前の記事で書いたホッケ漁に使われるホッケを捕る刺し網はイカも捕れます。
僕ら刺し網漁の漁師はこのホッケを捕る網で実はイカも捕ります。
なお、下の動画にアップした刺し網漁では真イカ、真ボッケ、ハタハタ、カレイなどがあがってくる様子が見れます。
去年の今ころは、刺し網の即席漁でも今時期は良いときで一箱60尾詰めのイカを30箱くらいは捕っていました。
ところが今年は、同じ即席漁で一箱となる60尾にもならないときがあります。
また、60尾詰めで箱いっぱいにならない小ぶりのイカも目立ちます。
イカ漁はまだ始まったばかりなので、不漁な年なのか遅れているのかは現時点ではわかりません。
というのも2019年(昨年)の羅臼沖でのイカ漁ですが始まってすぐはやはり皆無状態でした。
しかし、それから何日も経たないうちに、イカ釣りはもちろんのこと刺し網漁や定置網漁まで豊漁となっています。
イカ釣りや刺し網、定置でイカが捕れだしたのは、10月20日ころでした。
これを思うと、まだまだ今年のイカ釣り漁が不漁の年と決まったわけでもないです。
イカ釣り漁船の灯り(漁火)が明るい理由
イカ釣り漁船の灯りのことを漁火(いさりび)といいます。
この漁火がなぜあれほど眩しいのかというとイカを引き寄せるためなんです。
というか厳密にはイカを釣りやすくするためです。
実はイカの習性ですが、イカ釣り漁船のあの灯りには寄ってきません。
むしろイカは明るいところを嫌います!
ではなぜ、イカ釣り漁船があのように煌々と電気をつけているのか?
理由は夜暗くなるとイカは水面近くを泳いでいることが多いです。
そのイカを光で照らすことでイカがそれを嫌がり影となる船底の海中や海底に逃げ込ます。
この習性を逆に利用して、光により一気に海底に逃げ込んだイカをイカ針で釣り上げるという漁法なんです。
さすがに水面のあちこちを泳いでいるイカを釣るのは難しいからなんでしょうね。
散らばっていては釣れる数も限度があるため海中や海底に一気に集めるほうが効率が良いのでしょうね。
このようにイカは光を避ける習性があるため、それを利用した漁法が漁船にたくさんの灯りつけて行われるイカ釣り漁というわけです。
そのためイカ釣りに使われている集魚灯は僕ら刺し網漁で使われる漁船の灯りとくらべると何十倍も明るいです。
このイカ釣り漁船の灯りですが、実は人工衛星からも見えるほど眩く輝いています。
そのためイカ釣り漁船の灯りがない日は海がとても暗い感じがしますね。